国際財務報告基準(以下、IFRS)において、引当金として認識される金額は、現在の債務を決済するために必要となる最善の見積金額、または企業が債務を第三者に移転するために支払うであろう合理的な金額とされています(IAS37.37)。
引当金として計上されるべき金額を算定するにあたっては、主に2つの方法があります。
第1に、保証費用などのように、複数の債務から構成されるような母集団の大きい項目に対して引当金額を見積る場合に期待値を使用する方法です。具体的には、統計的手法を用いて、結果として生ずるすべての費用をその確率に応じて加重平均する方法が用いられます(IAS37.39)。
第2に、単一の債務が測定される場合の方法であり、この場合には見積られた個々の結果のうちで最も起こりうるものが最善の見積額となります。
当該引当金の見積金額は、類似の取引事例を用いたり、場合によっては独立した専門家を利用したうえで、経営者の判断により決定しなければならないこととされています(IAS37.38)。また、最善の見積金額を算出するにあたっては、リスクと不確実性を十分に考慮する必要がある一方で、保守主義などに基づいて過大な引当金を計上することは正当化されず、リスクと不確実性を二重に調整しないようにすることが求められます。さらには、貨幣の時間的価値の影響が重要であると判断される場合には、割引現在価値計算を行う必要があります(IAS37.45)。
したがって、客観的かつ正確な引当金評価が必要となる場合には、専門の公認会計士に見積りを依頼することが望ましいと判断されます。(IAS37.43)。具体的には、下記のような引当金を計上する局面において、専門的な評価が必要となるケースが多くあります。
- 製品保証引当金
- リストラクチャリング引当金
- 不利な契約を締結している場合に計上する引当金
弊事務所では、IFRSに精通した公認会計士が引当金、また必要に応じて偶発債務の評価を行います。また、IFRS導入に関するコンサルティング経験も豊富であるため、IFRS導入による債務額の影響度調査についても対応いたします。
利用料金
下記は、引当金(偶発債務)の評価に関する参考価格です。なお、実際の価値算定を行ううえでは、個別の見積もりが必要となるケースがほとんどですのでご理解ください。
引当金(偶発債務)評価 | 300,000円~ |
IFRS導入に伴う影響度調査(対象債務が少ない場合) | 500,000円~ |
具体的な評価方法、金額に関しては、 こちらからお問い合わせ下さい。